医学博士への道

論文博士(医学)までの長い道のり―目的と期限

こんにちは
眼科医・医学博士の
福岡詩麻です。

 

前回の記事
ご報告させていただきましたように

昨年、東京大学の博士号を
取得することがでたのですが、

 

なにが私にとって大変だったか…

どうやって
博士号を取得するにいたったか…

について

何回かにわけて
振り返ってみたいと思います。

 

博士をめざしている方の
ご参考になれば幸いです。

 

 

博士号の目的

博士号取得の目的・・・

要するに

「何のため博士号をとるか?」

「博士号をとって
どんな未来を手にしたいのか?」

ということですが、

博士号を取得できた今
改めて振り返ってみて

私はそこがはっきりして
いなかったのだと気づきました…。

 

 

医者になったころ
東大病院には

ロールモデルとなるような
数年、10数年先の
先輩の女性の先生が
ほとんどいらっしゃらず

 

大学に勤めて
アカデミックなポストを得たいとか、

大きな病院の部長になりたいとか

そういった未来の自分の姿を
想像することができませんでした。

どんな役職につきたいかというのは
目的というより
目的を叶えるための
ひとつの目標ですかね。

 

私のい者としての原動力は
研修医の時からずっと

「自分のために」

よりも、

圧倒的に

「だれかのために」

なのですが、

学位を取ることと
だれかのためになることが
自分の中で
結びつけられませんでした。

 

一流の研究者になって
日本中、世界中の患者さんの
お役に立ちたいという
熱い想いがあれば、
最速で学位が取得できていたかもしれません…。

 

でも私は
いつかは博士号をとりたいという
思いはあっても、
ぼんやりとした夢の状態のままでした。

博士号の期限

大学院で
課程博士を目指すのであれば、

例えば東京大学医学部の
標準修業年数は4年ですので

自分にとっても
指導してくださる先生方にとっても
期限が決まっているのでしょうが、

 

論文博士をめざす私の場合、

特にはっきりとした期限は
ありませんでした。

 

私は
誰かに決められた期限があれば
がんばれるのですが、
自分で期限を設定するのは苦手です。

この時点で自立した研究者や
研究の指導者になる
素養が身についていないですね(苦笑)

 

 

研究が好きで
したくてたまらないとか、

学位がとりたいから
研究をするというよりは、

尊敬する先生から
いただいたお仕事なのだから
ご期待に沿いたいと思い

研究自体は苦手なのだけれども
やめられずに続けているという感じでした。

 

結果的には
やめずに続けたおかげで

博士論文に必要な
原著論文2本を含む
研究の実績を積むことができました。

2本の原著論文がそろって
博士号の事前審査に合格したあとも

もう○○歳になるのだから
今年こそ学位をとろう!と
毎年思ってはみるものの

クリニックの仕事や
臨床研究のお手伝い
家族のあれこれといった
目の前のことで
精一杯なのを理由に
学位のことは後回しにしつづけました。

 

その裏で、

「なりたい自分になりたい」
「もっと自分を好きになりたい」と
ひとつずつ自分の苦手と
むきあったり、

医学以外の分野で活躍しながら
夢を叶えていく方々と知り合う中で、

 

だれかのだめでなく
自分のために学位をとろう!!

自分の「博士号をとりたい」
という気持ちを優先しよう!

と決心するにいたりました。

 

 

そして2022年、
やっと本気を出して
博士論文に時間とエネルギーを注ぎ、

学位審査の
残りの段階の書類提出期限を
自分で意識することが
できるようになり、

無事
学位をいただくことができました。

 

学位記をいただきにいった日は
爽やかな秋晴れでした。

 

学位のあるなしに関わらず

私の一番の想いは

患者さんの笑顔を増やしたい

です。

 

回り道をしているうちに
さらなる夢もできました。

 

 

目的や期限をしっかり設定して
もっと早くに
学位が取得できていたら
人生が違っていたかもしれませんが

自分のためにと
やっと思えるようになった

今このタイミングが
私にとっては
ベストだったのだと思います。

 

 

 

あなたにも
あきらめられない
夢があるなら、

自分のためにも
その夢を叶えてあげてくださいね!

 

道のりは長くとも
「やる!」と決めて
一歩ずつ前に進んでいけば
きっと叶うと思いますよ!!

 

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